ルピナスさん

さくらや

2011年02月13日 13:03

よく晴れた日曜日です。
もうちょっと気温が上がってくれればいいのになあ。

さて、明日はバレンタインデーですが、プレゼントはお決まりですか?
「男性から女性へのお花のプレゼントの日」をおすすめしてきましたが、
花束とかアレンジメントは何だか恥ずかしい・・・という方がいたら、
鉢植えの花はいかがでしょうか?

そして美しい絵本がいっしょに添えられていたら・・・
今日は、ぜったいおすすめの絵本を紹介します!


「ルピナスさん 小さなおばあさんのお話」バーバラ・クーニー(ほるぷ出版)


海ぞいのまちに住むアリスは、
おじいさんからとおいくにのはなしをきかされて育ちました。
そしておじいさんとある約束をします。
「世の中をもっとうつくしくする」ために何かすることです。
「いいわ」何をすればいいかわからないけど、アリスは約束を誓いました。



大人になって、ミス・ランフィアスと呼ばれるようになったアリスは、
図書館ではたらいてお金をためて、世界中に旅にでます。
(どんな場所でもおしゃれなミス・ランフィアス!)

南の島で村びとたちと仲良くなったり、雪山にのぼったり、
ジャングルや砂漠をよこぎり、
おおぜいの人に出会い、忘れられない交流をしました。

ところが、ある美しい国で、ラクダからおりるひょうしに背中を痛めてしまい、
旅をやめることになります。



海をみおろせる家に住み、お日さまをながめたり、花のたねをまいたり
すばらしいくらしを始めたけれど、からだの具合もよくありません。

春になってルピナスの花が咲いているのを見ながら考えます。
「いろんなことをしてきたけれど、しなくてはならないことがまだある。
 それは、世の中をもっとうつくしくすること。」



さんぽできるまでになったミス・ランフィアスは、
自分のルピナスの種を風や鳥が運び、
とおくにさきみだれているのをみつけて、すばらしい考えがうかびました。


たくさんのルピナスのたねをもって、村じゅうを歩きまわり、
のはらに、道のわきに、学校に、教会のうらに、海ぞいの丘に・・・
種をまいてあるきました。
好奇の目でみる人たちは気にしません。



次の年の春には、村がルピナスの色とりどりの花でいっぱいになりました!
村の人たちももちろん大喜びです。
ミス・ランフィアスはおじいさんとの約束を果たし、
みんなから尊敬と親しみをこめて、ルピナスさんと呼ばれるようになりました。

そして、この物語の語り手の少女(ルピナスさんのきょうだいの孫のようです)
と約束を交わします。
それは「この世の中を、もっとうつくしくすること」。

花が命を果てるときに種をのこしていくように、
人も世代を交代しながら、夢や理想を引き継いでいくことができるのです。



ルピナスの花のようなパステルカラーが美しい絵本です。
この本の良さは、あとからじわじわと沸きあがってくると思います。

そしてこの本のなかで、ルピナスさんは、結婚してこどもがうまれて・・・という
多くの絵本やじっさいの世の中で
「しあわせ」とされているようなことはまったく関係なく、
自分の考えだけで楽しみや使命を追求しています。

発表された'87年から世の中はずいぶんと変わりましたが、
ルピナスさんのような女性がたくさん活躍していることを
いったい作者は予想したでしょうか?

だれにもゆずれないものを持ちながら、やさしく、美しくいきていくこと、
それはいろんな立場や職業の女性の共通の理想かもしれないと思いました。
ぜひ女のひとに読んでもらいたいと思います!


そして、ほんもののルピナスはこちらです!

ルピナス:840円
風通しと日当たりのよいところにおいて、
土の表面が十分乾いてから水をあげてください。


まだどれも花は開いてないのですが、
ひとつだけピンク色がのぞいているのがありました。

花言葉は「貪欲・空想」だそうです。ますます女のひとっぽいですね。
ぜひ見にいらしてください!!



今日のさくらやBGM(社長選)

マイルス・デイヴィス「MILES IN TOKYO」 '64
MY FUNNY VALENTINEは3曲目に。さて、明日はどの一枚でしょう?



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