2016年06月29日

旧銀行協会探検ツアー

予報より早く雨が降り出してしまいましたね。
梅雨だから天気予報なんてあてにならないですが・・・
さきほど市場に行って、とびっきりきれいで
おいしそう(!)な鉢植えをたくさん仕入れてきましたが、
ご紹介したいけど雨で写真もうまく撮れそうにないので、
明日チャレンジしてみます!

気づいたらもう明後日から7月!
6月は腰のせいで、もやっとした印象で終わってしまった・・・
そういえばずっと報告したいことがありました。
旧銀行協会探検ツアー
旧銀行協会探検ツアー
5月29日(日)、栄町の木下惠介記念館さんの
建物探検ツアーに参加してきました。
常葉大学の土屋先生のレクチャーと館内案内で、
1930(昭和5)年に、天王町出身の建築家・中村與資平(よしへい)氏
によって建てられ、浜松大空襲にも耐え、現在も利用されている
とても貴重な建物の秘密をたくさん知ることができました。

旧銀行協会探検ツアー
旧銀行協会探検ツアー
すばらしいリーフレットをいただいてしまった!
建物の歴史から往年の写真、間取り図などが専門用語を使って説明され、
ほか與資平さんの業績についての解説など、興味深い情報がいっぱいでした。

表紙にも書いてあるとおり、この建物の正式名称は「旧浜松銀行協会」といって、
もとは手形交換と、銀行家のサロン、二つの機能を備えた建物だったのです。
間取りや家具などに、その名残がありました。
旧銀行協会探検ツアー
こんな感じで土屋先生が、隅々までアテンドしてくれました。
参加者は上映会の常連さんたちが中心!
このロビーの足元や階段の手すり、石を切り出したものだと思っていたら、
「人研ぎ」という加工をした人造石で目地も掘ってつけたものだそうです。

旧銀行協会探検ツアー
入口上のステンドグラス、左右非対称の幾何学模様がまさに昭和モダン!
足元の、ふだんは足拭きで見えないタイルの細工もすばらしいデザインです。

旧銀行協会探検ツアー
外壁・内装ともに、建設当時流行していた伊奈製の
引っ掻き模様(いろんな模様がある)タイルがたくさん使われていました。
この部分は、目地に銅が混ぜてあるらしくて、目地が黒く酸化し、
ところどころ緑青が浮いているのが趣きがありました。

旧銀行協会探検ツアー
旧銀行協会探検ツアー
いま展示室として使われている南向きの部屋が
囲碁室や球戯(ビリヤード)室、食堂として使われていました。
こんなアールデコ風の飾り窓もかわいいし、
ビリヤード台のために床下が補強されていたり、
球戯観戦用(盤面がよく見えるよう)に足が高くつくられた長椅子も残っていて、
当時の紳士たちが葉巻をくゆらせながら談笑している幻影が見えるようでした。

旧銀行協会探検ツアー
葉巻といえば、このスタンド式灰皿!
真ん中の灰受け以外木製で、ちゃんと葉巻を挟む置き場所もついています。
優雅ですね!

旧銀行協会探検ツアー
もともとは2階のこの部屋が喫煙室だったそうです。
真っ白な壁や緑のスペイン瓦を使い、スペイン風建築と名称されるそうですが、
まるでヨーロッパの古いリゾートホテルのバルコニーみたいな雰囲気。

旧銀行協会探検ツアー
この櫛引きで市松模様を描いた壁は特殊左官仕上げというそうです。
天井の高い壁一面のこの模様をみると、当時の職人さんの技に頭が下がります。
ただ、しっくいに金粉が混ぜてあるのか、塗料を塗っているのか、
先生にも実際の手順がわからないそうです。
謎の壁・・・

私がいちばんびっくりしたのはこの天井!
旧銀行協会探検ツアー
いま貸し室として使われている部屋の天井はなんと二重天井だったのです!
文化財保護のため、蛍光灯をとりつけるときに天井を足したそうです。
懐中電灯で照らしてもらうと、もとの天井が!
外装と同じヤシの葉モチーフの石膏彫刻が施されています。

けして広くはない敷地に、ぜいたくで洒落た意匠が満載。
トイレの便器やドアノブなど実用品も、もう他で見られないものばかりです。

レクチャーでは、與資平氏のほかの建築作品
(田町の静銀浜松営業部、静岡県庁・市役所、今は亡き浜松市公会堂もそうです)
や、同時代の建築を、たくさんの写真を使って紹介がありました。

現在のように建築家の個性が重要視される時代ではなく、
用途に合わせてなんでもできるオールラウンドプレイヤーが求められたそうで、
そのなかでも外国のあらゆる建築様式を取り入れていった與資平氏。
撮影所のリクエストのとおりに粛々と、だけどものすごいクオリティで
作品を撮り続けた木下惠介監督とも共通点があるなあと思いました。

いつも通り過ぎるだけで気になっていたけど入ったことがない、
という方が大勢いると思いますが、ぜひいちど訪ねてみてください!
時代や利用する人が変わっても静かにまちを見守っている建物。
これからも大事に敬意をもって利用したいですね!

ただいま、木下惠介監督の弟、
音楽家・木下忠司氏百寿記念展示が開催されています。
HPには動画ほかくわしい情報があるので、ご覧ください。

木下惠介記念館
浜松市中区栄町 3-1
電話 053-457-3450
Eメール kinoshitakan@hcf.or.jp

開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:  月曜日、祝日の翌日、年末年始
観覧料:  木下惠介記念館 100円
(70歳以上、障害者手帳をお持ちの方、高校生 以下は無料、上映会は要)
上映会 入館料 :100円
毎月1回、木下監督49全作品のうち1作品を上映。
(日程・時間・上映作品については事務所にお問い合わせ下さい)


今日のさくらやBGM(娘選)
旧銀行協会探検ツアー
ROBBIE ROBERTSON 「Storyville 」 '91
ロビーのソロセカンド。
この人のボーカルは曇り空か雨に似合うのだとやっとわかりました。
味があるとかシブいとか言いません、ただヘタクソな歌だし、
ザ・バンドのときのような興奮する音はないですが、
幻想的でストーリーがあってすごく好きな一枚。
ニール・ヤングとデュエットしている曲がとにかくすばらしいです。

マーチン・スコセッシ30年越し悲願の作品、
遠藤周作原作「沈黙(Silence)」の公開がついに11月になりそうだとか。
日本では、そして浜松ではいつみられるのかわからないけど・・・
ロビーの担当する音楽もすっごく楽しみです!!


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